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お役立ちコラム

〈 配偶者の行方不明 〉

配偶者の行方不明

配偶者が長期間行方不明になった場合にはどのように対処したらよいのでしょうか。

もちろん警察に届けることが第一にすべきことですが、例えば、配偶者名義の継続的な契約がある場合にこれを解約しようとしても本人でないという理由で受け付けてもらえないなど、様々な問題が起こる可能性があり、警察に届けただけではこれらの問題は解決しません。

そこで、配偶者が行方不明になった場合に取ることのできる方法について、夫が自宅を出て行方が分からなくなり妻が自宅に残されたケースを例にしてまとめてみます。

 

1 不在者の財産管理人の選任

自宅にすべての財産、荷物を残して本人の行方が分からなくなったような場合、本人の財産等を保護・管理する必要が出てきます。このようなときには、家庭裁判所に財産管理人を選任してもらい、その財産管理人が行方不明者本人(法律上は「不在者」と呼びます。)の財産を管理する制度があります(不在者財産管理制度)。

設例の場合に財産管理人を選任してもらうには、残された妻が家庭裁判所に選任の申立てをします。そして、妻が自分を財産管理人の候補者として挙げて申立てをすれば、通常はそのまま妻が財産管理人に選任されます(もちろん、誰を財産管理人に選任するかは家庭裁判所がケースごとに判断することですので例外もあります)。

選任された財産管理人は、財産の保存(維持)、利用・改良行為をする権限を持ちますが、この権限を越える行為をする必要があるときは家庭裁判所の許可を得てする必要があります。いちいち家庭裁判所の許可をもらわなければならないのはやや面倒ですが、許可がいるのは財産の処分など特別な場合のみになりますので、何かするのに許可をもらわなければならなくなることはあまり多くはないでしょう。財産を維持したり(例えば携帯電話やクレジットカードなどの支出を伴う不要な契約を解約することなど)、財産を利用したり(例えば夫名義のアパートを賃貸に出すなど)することは通常許可はいりません。

なお、財産管理人は行方不明者の財産目録を作成しなければなりませんので、妻は判明している夫の財産について目録(一覧表)を作ることになります。

 

2 失踪宣告

配偶者が行方不明になって7年以上が経つと、失踪宣告制度を利用することができるようになります。失踪宣告とは、行方不明の状態が長期間(原則7年)続いた場合に、行方不明者を死亡したものとして扱う制度です。

行方不明者が死亡したものと扱うことによって、残された配偶者は再婚ができるようになり、また行方不明者の財産について相続が始まって行方不明者の財産関係が確定されることになります。残された家族としては、これによって行方不明者の呪縛から解放されて新しい道に踏み出していくことができるようになるわけです。

失踪宣告は家庭裁判所に申立てをして得ることになります。設例では妻が家庭裁判所に申立てをすることになりますが、申立てがあると、家庭裁判所は警察に照会するなどして直近7年間に夫が生存していると推測される事実がないかを調査します。実務では、裁判所からの警察への照会の結果、運転免許の更新が行われているなどの事実が判明して失踪宣告が認められないケースなどもあるようです。

調査の結果、夫の生存の証拠が得られなかった場合には、家庭裁判所は3か月以上の期間を定めて、行方不明者本人またはその消息を知る者は期間内に届け出るよう官報に掲載します(公示催告と言います)。

期間内に届け出がなければ家庭裁判所は行方不明者について失踪宣告をします。

失踪宣告があると、行方不明者は死亡したものとみなされることになり、夫の相続が開始し、妻は再婚も可能になります。

なお、失踪宣告に必要な期間は原則は7年ですが、行方不明者が「危難」に遭遇した結果生死不明になった場合には、危難が去った後1年以上経つと失踪宣告は認められます。法律の条文では危難の例として戦争、船の沈没が挙げられていますが、地震などの災害によって行方不明になった場合もこれに含まれるでしょう。

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